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キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編その①~

2012.08.19 Sun
お疲れす~、ろなです

やっぱり、長文を書くのはしんどい・・・

しかし、俺はアマチュアジャーナリスト。思ったこと、感じたこと、調べたこと、すべてを洗いざらい書き表すことが使命だ。

という事で、キャンディーズ中期のお話

センターがランに変わってから、あの「普通の女の子に戻りたい」で知られる、伝説の日比谷野音までを一応、中期と定義してみようとおもいます。

タゲマアイコン他のキャンディーズ記事はこちら

キャンディーズ~ラジオの世界 エグレと年増とドラム缶の美学~
キャンディーズの音楽~レコードデビュー未満~
キャンディーズの音楽~初期のキャンディーズ~
キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編その②~
キャンディーズの1975年
キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編その③~
キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編 最終回~
キャンディーズのライブパフォーマンス~75年まで~
キャンディーズのライブパフォーマンス~大里マネージャのステージ美学とMMP~
キャンディーズのライブパフォーマンス~キャンディーズのスティーヴィワンダー~


センター交代の経緯は別記事で取り上げるとして、ランにバトンタッチしてからの中期は録音以外にもライブアクトとしても飛躍的に成長を遂げた濃密な時期で、数回にわけないと書けそうもない感じなので、まずはこの話からいってみょう。

~初のヒット曲、年下の男の子のエピソード~

中期として最初に触れなくてはならないのはやはり、キャンディーズファンなら誰でも知ってるこの有名なエピソードからであろう。

74年冬のアルバム「なみだの季節」の頃からの穂口先生のシゴきに耐えた彼女達は、この頃にはオリジナル曲であっても、ミキが下、スーが中、ランが上と自分達でハーモナイズ出来るまでに成長していたそうだ。

松崎澄夫がメインプロデューサとなるも、たいして売れていなかったせいか制作スタッフの意識はそれ程高くなかった模様。
次のシングル制作にあたりスタッフに言い渡されていた作風は哀愁漂う青春歌謡。
意欲的な若き作曲家であった穂口先生は、そんな凡庸な歌謡曲じゃ面白く無いと思いつつも、25歳そこそこの新人作曲家の意見がすんなり通る訳も無く、とりあえずはA面用に「私だけの悲しみ」という前作「なみだの季節」路線のマイナー歌謡を作り、スタッフを安心させ、B面で思い切った試みをする策に出た。
年長で当時既に二十歳を迎えていたランの「お姉さんキャラ」をうけて「年下の男の子」と付けられた楽曲は冒険心に満ちた斬新な歌謡曲だった。


ソウルフルなブラスで始まるこの曲は典型的なブルース進行で展開する当時の女子アイドル歌謡曲としては斬新なもの。作詞は前作同様、山口百恵作品で知られる千家一也

この曲を書くにあたり、穂口雄右は「20曲近く書いた中から選んだ」と語っており、レコーディングのメンバーもドラムに村上ポンタ秀一、ベースに岡沢章という新進若手リズム隊を起用する等、歌謡曲を超えた作品作りを試みた。
そんな穂口さんの熱意がスタッフの意識を呼び覚ましたのか、予定していた「私だけの悲しみ」とA面を差し替える事に・・・。
しかし、あまりにも「かっこよすぎる」仕上がりになってしまった様で、ナベプロ帝国の皇帝、渡辺晋から「これは歌謡曲じゃない」とNGがでてしまう・・・。
ボツになりそうな危険な空気が漂ったが、松崎プロデューサーの提言もあってか、いつものメンバー、ベース:武部秀明 、ドラム:田中清司 (ギターは水谷公生、鍵盤、穂口、パーカッション、ラリー須永)で録りなおす方向でなんとか窮地を凌ぐ。

ランの発言
「譜面をいただいた時、♭やら#やら沢山ついていて、悲鳴をあげました。初めてソロをとった曲なのに、思うように歌えず逃出したくなってもう泣きそう。やっとの事でとり終え、家に帰りましたが、即電話がかかってきまして”あんな歌じゃダメダ!!”・・・夜の中さみしくもう一度家を出て、スタジオに向かいました。」

リードをとったランは、派手なシンコペーションこそ無いものの、ブルーノートが出てきたりする慣れないメロディラインに泣きそうになりながら(実際、泣いてたかも)深夜までかかってなんとか録り終えた。
しかし、ミックス作業の工程で、どうにも気に入らない小節を穂口先生が発見してしまう・・・
録り直したせいもあってなのか、ミックスの締め切りは翌日(というか当日)にせまっていた。
既に午前三時を回っており、万事休すかと思われたところで、エンジニアの吉野金次がまさかの発言

「ランに来てもらいましょう」

ランは早朝5時に再びスタジオ入りし、6時に録りなおし終了。ミックスダウンは午前中に完了、すぐにプレスにまわされたそうだ。

ボツになりかかる窮地を乗り越え壮絶なレコーディングを経て、キャンディーズの代表曲、そして今やアイドル歌謡のスタンダードともいえる名曲「年下の男の子」は誕生した(75年2月21日発売)。

この曲はランのセンター変更とともに見事に機能し、初のオリコンTOP10入り(9位)を果たす。
しかし、9位とは・・・
誰でも知っているスタンダードナンバーであるこの曲でも9位、年間チャートでは42位だった。
現在の感覚から考えると物凄く違和感のある順位であるが、キャンディーズそして穂口雄右にとってもその後の運命を担う重要な曲であった事は間違いない。

アナログレコーディング時代ならではのドラマチックなエピソードであるが、やはり気になるのはお蔵入りとなった「かっこよすぎるバージョン」の所在だ。
キャンディーズは未発表曲等がそれほど多くないらしく、未発表のブツはあらかた世に出ている模様であるが、多くのファンが待ち望んでいるこのテイクは未だに発表されていない。
解散30周年にあたる08年にリリースされた大規模なボックス「キャンディーズタイムカプセル」の企画をした高島幹雄氏によると、音源を探したが最後まで見つからなかったとのこと。
テープ再利用の為、上書きされてしまったのでは?との話もあるが・・・。
きっとどこかに何かしらの形で残っている事を信じて、来年のレコードデビュー40周年にはぜひともリリースを期待する。

穂口先生は最近ツイッターでキャンディーズに関するネタを色々つぶやかれているらしく、この曲に関してはレイチャールズの「Hallelujah I Love Her So」を意識していたそうだが


Ray Charles - Hallelujah I Love Her So (1955)

なるほど、コード進行やキメのアイディアは確かに・・・
しかし、アレンジはゴスペルライクな7thの効いた物では無く、もっとメジャー感のあるカントリー調であった為か、それ程影響は感じられない。どちらかと言うとスティーヴィーワンダーの「Sir Duke」に近い印象(後にミキのライブでのレパートリーになる、これまたエピソード付きの曲)。

しかし、「Sir Duke」が発表されたのは76年なので「年下の男の子」が先である。僕はてっきり「Sir Duke」を踏まえてのアレンジだとばかり思っていたのだが、先んじてこのアレンジを施していたとはなんとも凄い!
もしかすると初期のテイクはもっと黒っぽいグルーヴになっていたのかもしれないが・・・。

と書いてみたが、こっちがネタだった~

74年のトムジョーンズのあんまりヒットしなかった曲「Somethin' 'Bout You Baby I Like」
ぶっちゃけそのままです~

~キャンディーズ三部作第一弾、アルバム「年下の男の子」~

勝手に三部作などと銘打っているが、この作品から「春一番」までの三枚がスタジオ録音作品における、まさに「キャンディーズサウンド」の核となっている事に意義を唱える人はまずいないであろう。

前作同様、松崎プロデューサのもと、穂口雄右、水谷公生らアウトキャスト人脈揃い踏みで録音され(とはいえ、穂口作品は半分ほど)、キャンディーズにとって初の全曲オリジナルの作品となった記念すべき作品。
半分が竜崎孝路、半分が穂口雄右のアレンジであるが、その違いはかなりはっきりしている。
恐らく制作方針で青春歌謡が提示されていた為に、半分は歌謡テイストの作風を採用したのだと推測される。
曲順も竜崎孝路アレンジと穂口雄右アレンジが交互に入れ替わるようになっていて、さらに「やばそうな曲」はB面に配するなど、上から「ケチ」がつかないよう上手い事工夫した跡がみられる。

シングル「年下の男の子」でもみられた器楽的なコーラスが導入され、コーラスグループとしての魅力がさらに広がり、そして次なる課題、ユニゾンの強化も図られている。本人達も初の全曲オリジナルということで気合十分に臨んだようだ。

アルバムの一曲目「春一番」(これまたエピソード付きの曲であるが)で早速、力強いユニゾンが聴かれる

ファンやキャンディーズ本人たちの熱望により、一年後にシングル化された。これまた超有名曲であるが、このアルバムバージョンは吉野金次のミックスが凄い。ドラムがもうバッツンバッツンで、特に後半のブレイクからは、完全にキャンディーズの歌よりも前に出ている。ドラムは村上ポンタ秀一とも言われていたが、田中清司 である模様。こんな音になってたらポンタドラムだと思われても仕方ない。

このアルバムで重要なのはやはり、よりブラックミュージックへ接近したことであろう。
特に七十年代中期に吹き荒れたディスコムーブメントの中で脚光を浴びていたフィラデルフィアソウル、所謂「フィリーソウル」の影響が強い。この時期は世界中がこの手のサウンドを意識していたので、短絡的といえばそれまでだが・・・。スーがリードをとった「若い日のひととき」「優しいだけじゃいや」という竜崎孝路編曲のナンバーでその影響がみられる。

ソウルトレインのテーマ的なブラスイントロから始まるフィリー歌謡であるが、水谷公生さん(恐らく)のギリギリのオブリガードが突き刺さる

一方、半分を占める穂口曲であるが、やはり一筋縄ではいかない。特にB面の「やばそうな曲」は大胆なやり口だ。
「やばそうな曲」とは「くちづけのあと」「愛の瞬間」「愛のとりこ」の三曲であるが、どれもけだるくダークなアレンジとなっている。ランが歌う「くちづけのあと」のソウルフルなアシッドフォークも異様であるが、やはりミキが歌う2曲はかなキてる。

メンバーの中で最も音楽的で、ソウルファンであったミキのセンスに着目しての抜擢だったと思われる。
この曲でのミキのけだるいヴォーカルは特異で、音楽的なイニシアチブを握り制作陣からの信頼を勝ち取っていくミキの冒険心が感じられる。

そして、ラストを飾るナンバー「愛のとりこ」ではスティーヴィーワンダーをもろにやっている。
七十年代前半のスティーヴィーは神のごとき恐ろしいクオリティの作品を量産していた時期で「Talking Book」「Innervisions」「Fulfillingness' First Finale」という一連の三部作が74年までに発表されており、このアルバム「年下の男の子」の制作時期にあたる75年1月には来日公演も行っている。
キャンディーズ及び穂口先生が来日公演を観たかどうかは定かでは無いが、絶頂期の鬼凄いスティーヴィーのインパクトは計り知れなかったと思われる。

三部作のラストを飾る「ファーストフィナーレ」に収められてる曲


絶頂期のスティーヴィと並べて語る事は当然出来るはずも無いが、穂口雄右のミュージシャンシップを感じられる。スティーヴィをリスペクトするミキにとってはモチベーションの上がる楽曲であったであろう。
前述の「Sir Duke」をはじめ、後にキャンディーズのライブのレパートリーには、数曲スティーヴィの曲が取り上げられているが、ミキの意見が大きいであろうことはほぼ間違いない。

~レコーディングにおけるキーパーソンその①~

吉野金次
オネフ鋐箴。シフソソ」ア
録音に多少なりとも興味のある人間であれば、知らない人は居ないであろう、ある意味、ミュージシャンより有名な、レコーディングエンジニアである。
はっぴえんどの「風街ろまん」等、向こうサイド(はっぴえんど~ティンパンアレイ系)で名前が上って来る事の多い方であるが、歌謡曲も数多くこなし「日本の音」を支えていた最重要人物の一人。
キャンディーズの録音にも欠せない存在で、穂口さん曰く「キャンディーズが時代を超えたもうひとつの秘密兵器」。
もともとは東芝のエンジニアであったが、技師というよりはミュージシャンに近い感覚の持ち主であり、日本の録音とは明らかに音が違うアビーロードスタジオのサウンドがどうやったら再現できるのかを考えたりする人であった。
その為か、上司や昔堅気のミュージシャンとの対立が絶えなかったという。
ビートルズサウンドの秘密をどうしても知りたかった吉野金次は、同じビートルズマニアであった元ランチャーズの喜多嶋修と共にアビーロードスタジオに潜入。
そこで見聞きした知識を総動員。会社に極秘で、喜多嶋修の変名プロジェクトである「Justin Heathcliff」を制作し、当時の日本の音とは違う先進的なサウンドを創造してみせた。

しかし、それが会社にばれて退社を余儀なくされることに。
その後、「Justin Heathcliff」の音に衝撃を受けていた細野晴臣に誘われて、はっぴいえんどの「風街ろまん」を制作したのを始め70年代の日本の音楽の重要な作品の多くを手がけて行く。
近年、脳梗塞で倒れられた際は矢野顕子の呼びかけで復帰を願うチャリティライブが急遽とりおこなわれ、多くの大物ミュージシャンがかけつけたほど、ミュージシャンからの信頼の厚い偉大な人物である。


結局、一枚のアルバムを語るのにこんなに使ってしまった~。

次回は最重要作とも言える「その気にさせないで」が登場する
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