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キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編 最終回~

2012.12.07 Fri
ちょうど半年程前の事、いつもの店での出来事。

その日は、知り合いの誕生祝いをやるということで数名の知人が店に集まっていた。

誕生日を迎えるのは、ヒールの高い靴とベルボトムをこよなく愛する風変わりな男

彼は、昭和40年代サウンドに造詣が深く、店ではグルーヴィなドメスティックサウンドを引っさげて、しばしば熱いDJプレイを聴かせていたが、30代前半だというのに中二の頃からキャンディーズの大ファンだったという、特殊な中二病患者だった。

「誕生日だから、俺の好きなものをかける」といって取り出したキャンディーズのアルバム

針を落とした円盤から流れ出たグルーヴに僕は意表をつかれた

「え?キャンディーズってこんななの?」

この瞬間から、僕のキャンディーズ研究の日々が始まったのだ・・・


タゲマアイコン他のキャンディーズ記事はこちら

キャンディーズ~ラジオの世界 エグレと年増とドラム缶の美学~
キャンディーズの音楽~レコードデビュー未満~
キャンディーズの音楽~初期のキャンディーズ~
キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編その①~
キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編その②~
キャンディーズの1975年
キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編その③~
キャンディーズのライブパフォーマンス~75年まで~
キャンディーズのライブパフォーマンス~大里マネージャのステージ美学とMMP~
キャンディーズのライブパフォーマンス~キャンディーズのスティーヴィワンダー~

~最も洗練された異色作 ニューミュージック・オブ・キャンディーズ~

02_15_21.jpg
「春一番」の次の作品である本作は「夏が来た!」という安直なタイトルがつけられている
が、内容は前作とはうってかわりアイドル色薄め、明らかに他のアルバムとは雰囲気が違うサウンドに驚かされる。
キャンディーズをヒット曲でしか知らない人が聴くと肩透かしを食うこと間違いない作品だ。

タゲマアイコン度肝を抜くグルーヴィーキャンディーズソウル

A1から、クラブ対応可能な「HELLO! CANDIES」、まるでMFSBやLove Unlimited Orchestraの様なガチなフィリーファンクで度肝を抜く。

ソウル・トレインのテーマTSOP(The Sound Of Philadelphia) /MFSB
http://www.youtube.com/watch?v=NEc8UWKC5us
Love´s Theme - Love Unlimited Orquestra (Original Version)
http://www.youtube.com/watch?v=zXm9SqhStqk
VAN McCOY - the hustle (1975)
http://www.youtube.com/watch?v=wj23_nDFSfE

上記に代表されるゴージャスディスコソウルサウンドの空気感たっぷりで、キャンディーズは例によってスリーディグリースマナーのコーラスを聴かせてくれます。そんでもって出番は少なめ(笑)

キャンディーズ HELLO!CANDIES
http://www.youtube.com/watch?v=l_u--Y6I59Q
残念な事にこの曲をキャンディーズがライブで歌っているのは確認出来ていない。ライブではMMPがインストでプレイしていた。その間キャンディーズは着替え中かな~

続く「危険な関係」もギュルギュルのシンセサウンドで始まるディスコ歌謡。アルバム「その気にさせないで」で穂口先生が手掛けたディスコソウルに趣きが近いが、宮本光雄という方の作、編曲は船山基紀氏(HELLO!CANDIESのアレンジもこの人)で、穂口組は絡んでいない。演奏もシンセのサウンドメイクも全然違う~。

そういえばシンセサウンドに関して一度も触れてこなかったのでちょっと触れてみよう。
ファーストの段階からシンセは使われていたのだが、穂口先生のシンセの音作りはシンプルで単純なノコギリ波系の音が多かったので、今回の船山先生の音作りは新鮮だ。
詳細な使用機材の情報等ないので、正確なところは判らないが、ミニムーグやアープオデッセイではなくて国産のシンセを使っているのではないかと想像している。
国産のシンセが登場したのは73年のことで、ローランドのSH-1000とコルグのminiKorg700であったが、多分、miniKorg700じゃないかと・・・
minikorg700s.jpg
コルグのminiKorg700 名前からしてミニムーグを意識している
1オシレーターのシンプルなアナログシンセであるが翌年には2オシレータのminiKorg700Sというのが出るので、セカンド以降のシンセはminiKorg700Sである可能性が高い。
ステージではチャッピーがシンセも使っていて、はっきりと見える映像が見つからないがムーグやアープっぽいのは無かったくさい。
明らかな鍵盤楽器はクラビネットとアープのソリーナ(ストリングシンセ)かな。
ちなみにエレピに関してはフェンダーローズのみでウーリッツァーは使用されてない模様。

タゲマアイコン穂口先生離脱

A3の「夏が来た!」に到ってようやくキャンディーズらしいサウンドが聴ける。このアルバムでは逆に浮いて聴こえてしまうが・・・
「春一番」に次ぐ穂口先生作詞作曲によるナンバーで、先行シングルとして発売され、「春一番効果」もあってかオリコン5位のヒットを記録する。
穂口ナンバーらしい、爽やかなフォーキーポップで、詞曲共に素晴らしい楽曲。
バックの面子も明らかに穂口組、歪んだ水谷ギターオブリガードを聴くとなんだか安心する。
しかし、このアルバムで穂口曲はこの曲と、水谷ギターリフがまた強いフォーキーロックナンバー、B2「ゆきずりの二人」のみ。

なぜなら、穂口先生はキャンディーズプロジェクトを離れてしまったからだ。
離れることとなった原因は「キャンディーズプロジェクト」が商業主義に傾いたからと言われている。
もともと「夏が来た!」はキャンディーズ用に作った楽曲ではなかったが、不本意にもシングルとして使われてしまったようだ。
「たかがアイドルの制作」と割り切っていない穂口先生の「若さ」と「熱さ」、そしてキャンディーズの存在感に驚かされるが、結果を出し始めたプロジェクトに対して会社や会議室がうるさくなってくるのも当然なことである。
そして穂口先生は今でも「熱い男」なのだ。
前回、「春一番」がカラオケで歌えなくなっている話をしたが「夏が来た!」も詞曲共に穂口作品なので、こちらもJASRAC管理から個人管理になった為、カラオケで歌えない事になる。

キャンディーズ「春一番」がカラオケから抹殺されていた
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20121113/Asagei_9137.html
前回も話したがこの問題は非常に重要なので、また別記事で取り上げることとします~。

穂口雄右がキャンディーズに戻って来るのは暫く先の事になる

さて、話をアルバムへ戻すとして、ここからが本当にこのアルバムの特色。

タゲマアイコンぶっ飛びの洗練力 キャンディーズニューミュージック

A4「MY LOVE」というA&M調AORナンバーが登場する。歌うのはスー
作曲は、この手の作曲が得意な丹羽応樹というシンガーソングライターの女性(作詞は竜真知子)でアレンジは船山基紀。
マイケルフランクスやニックデカロを手掛けたトミーリピューマばりの超ソフィスティケイテッドなサウンドは完全にニューミュージックだ。
なんとスーはここでアンニュイボーカルを披露する。前作でミキが歌ったラウンジチューン「朝のひとりごと」が布石となっているのは間違いないであろう。

Michael Franks - I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad
http://www.youtube.com/watch?v=2KL_rYttA5o
Nick DeCaro - Under the Jamaican Moon
http://www.youtube.com/watch?v=l86G34G6Mwk
「アントニオの唄」で日本でも人気が高いマイケルフランクスにまさにそのままキリンジなニックデカロ
トミーリピューマの洗練っぷりは半端ない~。ラジオで「マイケルフランクスが・・・」とミキが言っていた記憶があるので、この辺を参考にしている可能性は高い。

MY LOVE ボーカル:SUE 作詞:竜真知子、作曲:丹羽応樹、編曲:船山基紀
http://www.youtube.com/watch?v=eQqCRr-Y77g
こんな楽曲を歌うスーは後にも先にもこれ一曲、そしてこの歌に対する姿勢。決してベストなアンニュイ表現とはいかないまでも、ソロボーカルに対しての意識が明らかに高まっているのがわかる。

再び度肝を抜かれたスーの「MY LOVE」に続くA5の「さよならバイバイ」にまたしても驚きがまっていた・・・

デビューしたてのムーンライダーズ(このころは鈴木慶一とムーンライダース)が絡んできた~

ムーンライダーズは巧者揃いでアイドル関連の仕事も数多くこなしているのだが、当時はバンド活動の資金集めにこの手の仕事を始めたらしい(という口実で単にアイドル歌手に会いたかっただけかもしんない)。アグネスチャンとはバックバンドとしてツアーを回ったりもしていた。

ムーンライダーズが提供した曲は4曲、演奏もやっている。

「さよならバイバイ」は三人のソロパートと三声コーラスが聴ける椎名和夫作詞作曲のツンデレポップであるが、
椎名さんが単にキャンディーズ好きだったのか、そういう作風で作れと言われた為なのか、詞の内容やサビのメロディからみてもキャンディーズをイメージした作風になっている様な・・・

椎名作詞作曲ナンバーは4曲中2曲

さよならバイバイ キャンディーズ 作詞・作曲:椎名和夫、編曲:鈴木慶一とムーンライダース
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=VI0UTc98feg
編曲も演奏もムーンライダーズがやっていて、キャンディーズの三人も各々ソロパートがあり、まさにキャンディーズ・ミーツ・ムーンライダーズとなっている。しかし、三人の歌唱がイマイチな・・・

季節のスケッチ ソロ:MIKI 作詞・作曲:椎名和夫、編曲:船山基紀
http://www.youtube.com/watch?v=MLxC4FC4s4E
B3に収録されている楽曲。こちらの編曲は船山基紀。チェンバロによる印象的なイントロもさることながら、グリッサンドを効果的に使ったアレンジが素晴らしい。イントロ/Aメロではギターバッキングにグリッサンドを使い、サビではホーンセクションが取って代わりグリッサンドしている。まさに「グリッサンドナンバー」
歌うのはミキ。しかし歌唱はイマイチかな、明るいシャッフル曲はミキには向いていない。どちらかというとこの手はスーのイメージ。ミキ以外の二人も参加している模様だがコーラスの主役もミキ。絶妙なアレンジが聴きものの楽曲であるが、歌唱としては後半に登場するランのスキャットが見事

他二曲は鍵盤の岡田徹作品(作詞は堤けい)。
B4とB5であるが、どちらも楽曲的には出色の出来

MOON DROPS ソロ:RAN 作詞:堤けい、作曲:岡田徹、編曲:鈴木慶一とムーンライダース
http://www.youtube.com/watch?v=Ua32Y-7FFqg
「さよならバイバイ」続き、編曲、演奏ムーンライダーズ。メンズのコーラスも聞こえるのでそちらもムーンライダーズだろう。
歌うのはランであるが、まだこの時点ではハードルが高すぎたか・・・
この手の垢抜けたチューンの経験が無い為か、歌い方が良くわかっていない模様。アンニュイ唱法とは言えない単調なノンビブラートに終始している。唯一の救いはエンディングのフェイドアウトで聴けるフェイク、やっぱり色っぽい。ランのアンニュイ歌唱法が解禁されるのは次作になるが、それがもう・・・

雨の日に偶然 ソロ:MIKI 作詞:堤けい、作曲:岡田徹、編曲:船山基紀
http://www.youtube.com/watch?v=x5jDQyyA3Rg
キャンディーズに向いているかどうかは別として、この曲はキャンディーズに提供された楽曲の中ではトップクラスの楽曲であるといえる。こちらの編曲はまたしても船山基紀で、ブライアンウィルソンばりの完璧な編曲を施す。演奏も恐らくムーンライダーズでコーラスはキャンディーズとムーンライダーズ混合であろう。
ここで歌うのはミキ。そんでもってまたミキが新たな挑戦に出た~。前作のラウンジナンバーでアンニュイ唱法とまではいかずもアンニュイ表現に挑戦してみせたが、この曲でアンニュイ唱法を披露。
完全に荒井由美を意識したであろうヘタウマ唱法はかなり特異で、鼻につく「ミキ節」も封印し淡々とノンビブラートで歌ってみせる。
A4でのスー同様、この様な歌い方をするミキも後にも先にもこの曲一曲のみである。




とりあえず、上記で触れなかった曲に触れてみると、またレアな楽曲がある。
穂口組でキャンディーズの録音には欠かせない名ギタリスト、水谷公生ナンバーが登場。
A面ラストを飾る、「めぐり逢えて」という曲だ。
強めのピッキングと強暴に歪んだ肉食系サウンドでキャンディーズをバックアップする水谷さんであるが、この楽曲はしっとりとした美しい楽曲で、歌うのはまたしてもミキ。
ミキはハイトーンなハスキーボイスを活かしたウィスパー唱法を披露。

めぐり逢えて ソロ:MIKI 作詞:たきのえいじ、作曲:水谷公生、編曲:渋井博
http://www.youtube.com/watch?v=N6YgG8_6GBk
ミキによると、この曲の録音の時にスタジオに飛んでいた虫が口に入って、そのまま胃袋の彼方へ消えていったとか・・・
聴き所はなんといってもコーラス。コーラスには他の二人も参加しており、なんとも美しいロングトーンを聴かせてくれる。ミキに寄り添うように爪弾かれる水谷さんのアコギも強暴なエレキの印象と妙なギャップがあって心が震える。

キャンディーズにおける水谷ナンバーは後にも先にもこの曲のみだ

もう一曲はラストナンバーである「恋はサーフィンに乗って」という井上忠夫ナンバー
「夏が来た!」というタイトルだからという理由だけで作った様なベタベタなサーフ歌謡であるが、楽曲の良し悪し以前に明らかにアルバムの空気を読めてない楽曲。制作サイドの諸々な事情により井上忠夫さんに楽曲を依頼したのだろうが、ボツる訳にもいかず仕方なく最後に入れたのだろう

恋はサーフィンに乗って キャンディーズ 作詞:東海林良、作曲:井上忠夫、編曲:竜崎孝路
http://www.youtube.com/watch?v=Jh8EM3UmR_M
ここで歌うのもやっぱりミキ~
桑田圭祐の「そんなヒロシに騙され」のネタになったとかならなかったとか・・・

あ、B1の「SAMBA NATSU SAMBA」をわすれていた・・・。
「夏が来た!」とシングル争いをしたと言われる曲であるが、あんまり好きな曲ではなかったので忘れてしまっていた~。
底抜けに明るいこの曲はキャンディーズのよる打楽器や「ガヤ」が収録されている珍しい曲。
タイトルに「サンバ」とついているので「おっ」と思うがサンバというよりもニューオーリンズ辺りの連中がやりそうなカリビアンテイストに近い中南米ナンバー。この曲だけ作詞が森雪之丞。
キャンディーズ SAMBA NATSU SAMBA
https://www.youtube.com/watch?v=e11Vk6NMrPM

このアルバムでは兎に角、ミキの出番が多い。他二人のソロが1曲ずつだったのに対しミキは実に4曲も歌っている。以前からその様な流れがみえていたが、やはり「録音でのセンターはミキ」と言っていいだろう。

タゲマアイコンキャンディーズ ネクストステージ

この作品での重要なポイントは当然、制作にある。
昔ながらの歌謡曲チームでもGS世代の作家チームでもないニューミュージックサイドの人脈が制作に携わったことだ。
洋楽のテイストを取り入れながらもドメスティックな匂いを失わないサウンドがキャンディーズの魅力であり、草食系ニューミュージック路線の制作との相性はそれほど良くない。
その手の制作と抜群に相性が良かったのは松本隆・筒美京平組が手掛けていた太田裕美だ。

この作品をキャンディーズの中でベストにあげるファンが多数いる事も知っているが、どうしても制作の方に耳が行ってしまい、キャンディーズがサウンドに追いつけていない感も否めない。

しかし、この初体験の中でキャンディーズは着実に次のステージへと向かった。

それぞれの表現、ソロボーカルの洗練だ

歌謡曲スタッフのもとに生まれ、GS世代の兄貴達に育てられたキャンディーズは春一番とともに女子の魅力を爆発させ、そして夏が来て大人への階段を上り始めた。



ということで当初の予定では日比谷野音での解散宣言までを中期する予定でしたが、録音的にはこの辺が区切りがいいので「キャンディーズの音楽~中期のキャンディーズ録音編」はこれまでとします~。

思いの外長くなってしまった~
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Theme:お気に入り&好きな音楽 | Genre:音楽 |
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