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【映画】卍まんじ~パンクロッカーは卍とハーケンクロイツをよく間違える

2009.12.06 Sun
プラトンは少年を愛していた。

プラトニックラブとは若い同性の恋人の不確実な愛情に対する屁理屈である。
ロマンチックなプラトンの言い訳の裏には、とても鬱陶しい傷だらけな情念の海が広がっているだけだ。

PlatoAristotel.jpg
天を指す、理想主義者のプラトンと地面と水平に手を広げる現実主義者のアリストテレス



「卍(まんじ)」 原作:谷崎潤一郎


「卍まんじ」を映像化する時は決まってレズ描写に注目が集まってしまうが、そのような肉体的情欲は一つの要素に過ぎない。


二人の女子と一人の男子が放り込まれた倒錯した愛の世界は

嫉妬、罪悪、疑心、そして狂おしい情念のカオス

堕ちて行く、果てしない地獄の苦しみの中でも、恍惚とした情念は決して褪せる事は無く、

抗う事など出来るはずもないのである。


■増まん(増村版まんじ 64年 大映)

卍(まんじ)を最初にスクリーンに持ち込んだのは:増村保造だった。

強烈な個性とモダニズムに立脚した真空管の様なファットな増村グルーヴは、大映の看板女優であり増村映画のミューズである若尾文子を妖しげなファムファタルに変える。

どこまでも面倒くさ可愛い女、園子を演じる岸田今日子、
園子と光子(若尾文子)の倒錯した関係に嫌悪感を示しながらも、日に日に巨大化する情欲のメエルシュトレエムに自らも飲み込まれてゆく園子の夫、孝太郎を演じる船越栄二、
三人の関係をあざ笑うかのごとく、その情念の炎に油を注ぐ卑劣なインポテンツ、綿貫を演じる川津祐介、増村作品の常連キャストが見事なグルーヴを見せてくれる。

増村作品は、どの作品のグルーヴも非常にタイト

この増マン(増村版まんじ)も例外なくタイトで、小道具に至るまで抜かりない、

園子と光子がやり取りする色とりどりの便箋

挿絵のヤモリのなんとも美しいこと・・・

7.jpgvlcsnap5.jpg


top.jpg
園子(岸田今日子)と光子(若尾文子)、しかし若様・・・(美)
若尾文子はてっきり生まれつきのスーパーセレブだと思っていたが、戦時中は仙台(おっさんの実家も仙台)に疎開して、そこら辺の女子高、宮城県第二女子高等学校中退だって~地味じゃね
微妙に親近感を覚えた~


園子が光子をイメージして描いた菩薩の前で心中を誓う(光子を菩薩として崇める事を誓うというべきか)クライマックスシーンも秀逸

光子の下僕と化した園子と孝太郎の狂気に満ちた満足げな表情、谷崎のマゾヒズムを見事に表現している。

そして死に切れず一人生き残ってしまった園子は抑え切れない嫉妬の炎と、

もはや永遠となってしまった光子への情念に、ただひたすらひれ伏すのみであった・・・。


以後、増村は「刺青」「痴人の愛」と谷崎のフェチ・マゾ作品を手がけ、そして増村耽美主義の最高峰、江戸川乱歩の「盲獣」を撮ることとなる。


実はおっさん、「卍まんじ」を三本立て続けに観た~

上記で語った「増マン」(64年)を入れて、「卍まんじ」は四作品ある(海外のも入れると五作品だが)

中でも、秀逸な出来栄えと聞いていた井口昇版、イグまん(井口版まんじ)を次に観賞、しかし・・・



■いぐまん(井口版まんじ 06年)


華の無いキャスト、「卍まんじ」おいて、それは致命的

特に光子役は神々しい位の存在感があってもいいくらいなのに・・・

増村版と比べるのは酷かも知れないが、

正直、厳しい芝居力・・・

ひたすらチープな映像は、90年代の石井輝男的アナクロとみる事も出来る?

でも、あれは石井輝男さんですから・・・


「片腕マシンガール」「ロボゲイシャ」、逆輸入作品で微妙に話題の井口監督、どうもおっさんにはしっくり来ない

大人計画の人達は役者としてはいいんだけど、映画監督やると、どの人もいまいちグルーヴに欠けるんだよなぁ

グルーヴしないキャストの中で一人、気を吐いていたのが綿貫を演じた荒川良々だった


「イグまん」において井口監督がグルーヴアイテムとして使用したのは「口」

増村版では見られなかったフェチシズムを取り入れ(まぁ、誰でも考え付きそうな短絡的な手口だが)、光子に口(口の中?)フェチの側面を与えた

フェティッシュなエロスシーンを展開させようという企てだろうが、華が無い女子の傷だらけ体当たり演技見てもねぇ・・・
どうせなら、井口監督の得意なスカトロ(井口監督はスカトロAV監督でもある)方面に持っていけば良かったんじゃね?

D111720276.jpg
園子を演じるのは秋桜子(コスモス子と読むっぽい)、アラーキーの秘蔵っ子的な女子で
美女ではない独特な風貌は雰囲気があるが、園子には向かないし芝居が厳しい・・・



■ひぐまん(樋口可南子版  83年)

やっぱりインモラルな濡れ場に注目が集まってしまう、みずみずしい樋口可南子の小悪魔っぷりが印象的な、ひぐまんは設定を現代に移し展開される

資産家で弁護士の妻、園子と絵画教室で知り合った令嬢、光子という人物設定も、刑事の妻とOLに変わっている

微妙にグルーヴにむらがある所も否めないので賛否両論っぽいが、おっさん的には賛だった

だらし無い肉体の冴えないおばさん園子とそこら辺のOLの光子の「素人物」的なグルーヴは「身近に潜む耽美主義」感が出ていた

犬の様にこぼれたミルクをピチャピチャ舐める刺激的な場面はあるにせよ、マゾ描写は控え目で、
おばちゃん園子が旦那(原田芳雄)が寝ている横でぶっこくセンズリも殺人現場や御霊前でのインモラルセックスも、厚かましく無くグルーヴを損なう事は無い。

7ea8a264.jpg
樋口可南子演じるOL光子
他の役者も原田芳雄をはじめ好演!
話に全く関係ない、ハーレーに乗るたっちゃん(梅宮辰夫)とか中島ゆたかとか出て来る~


「卍まんじ」の世界では、殺してしまいたいとか、死んでしまいたいとか、実際死んだりとか、随所に死臭を撒き散らす、

これは究極の状態、究極の愛を示唆しての事だろうか…。


「増まん」「いぐまん」では一人生き残る園子が「ひぐまん」では、一人死んで行く。

どちらにせよ、死んでも地獄、生き残っても地獄・・・

園子の愛は同性へでも異性へでも無い、ただひたすら光子へ対しての至上の愛

プラトニックラブを愛のイデアとするなら、愛のイデアとは背徳も正義となる、

絶対的にして傷だらけの情念なのである


以前、タッキーが「愛は革命」と言っていたが、おっさんの理屈から言うと間違って
ないかも~



長々と書いて見ましたが、おっさん、実は谷崎のオリまん(オリジナルまんじ)読んだ事なかった~



さーせん・・・
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Theme:日本映画 | Genre:映画 |
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